「弁当のためにつきあうって言っても嫌じゃないのか?」

「全然」

「そんなに男とつきあいたいなら、別の男とつきあえばいいだろう? 

別に黙っていれば相手には不自由しないだろう?」

 三田が他に狙っている女がいるのに、彼女に接近しようとした気持ちは第三者的に見れば分からなくもない。

 第三者的にといったのは主観的には同意しかねたからだ。

「まあ、そうなんだけど、あなたがいいと思ったの」

 絶対に怪しい。何かをたくらんでいるとしか思えない。