彼女は僕の戸惑いを受け流すように軽い言葉を続ける。

「でも、私とつきあうことで女の子から試しにつきあってとか言われなくなるのよ。

藤木君がどれくらいもてるのか知っているし、正直そういう子しつこかったでしょう?」

 心が惹かれそうになる言葉だ。

 僕が言おうと思った言葉をかきけすように言葉を続ける。

「あと毎日お弁当を作ってきてあげる。

これであなたの昼ごはん代はタダ。

節約するにはいい案でしょう?」

 僕がどう言えば反論できなくなるのか、分かったような言葉の連続だった。

「ね? 悪くないでしょう?」