一度も会ったことはない相手であろうと、容赦なく僕の責任になる。

 僕のいる部屋のドアが開けられた。

 同時に入ってきたのがタバコとお酒、そしてあの香水の匂いだった。

 気持ち悪い。

 そんな言葉を喉の奥に押し込む。

 アイラインを引いて、髪の毛を明るく染めた女が僕を見て、笑みを浮かべる。

 彼女の真っ赤な唇が吐き気を増大させた。

 彼女の二重の瞳が僕を見る。そして、口角をあげて微笑んだ。