胃の奥から内容物が出てきそうになる。

 けれど、あのときのような逃げ道はない。

 せめて彼女が一人でないことを願っていた。

 そうしたら僕にかまうわけもない。

 彼女は物事がうまくいけば自分のおかげだった。

 しかし、物事に失敗したときの責任は全て僕の責任だった。

 父との婚姻中に他の男と関係を持っていたのが分かって離婚になっても、それは僕の責任だった。

 新しくできた恋人に逃げられてもその責任は僕にある。