*優哉目線。*
土曜日の朝。
俺はいつものように朋ちゃんが会いに来てくれるのを待った。
今日は天気が良い。
こんな日には、中庭に出るのが良い。
俺のいない病室に朋ちゃんが来たら困るから出ないけど。
こんこんっとノックの音が聞こえた。
「はーい」
朋ちゃんかな、なんて思って返事をした。
ドアが開いて入ってきたのは、憐哉くんと知らない女の子。
女の子、よりも女性と言った方が正しいかもしれない。
「憐哉くん、ありがと。それじゃ、ね」
女の人は憐哉くんに手を振る。
憐哉君は案内するだけのために来たのか、すぐに出て行ってしまった。
「座れば?」
俺は重ねてあるパイプいすを指す。