………見たことないよなぁー。
イケメンだから有名なはずなんだけど。
………やっぱり知らない顔だな。
「誰、じゃねーだろ?それとも俺の顔に惚れた?」
そして綺麗な顔を動かし、男はあたしに話しかける。
「だってあたし…あなたのこと知らないもん。まぁ、カッコいい顔はしてるよね。」
すると男はいきなり笑い出して。
あたしは思いっきり顔をしかめる。
「お前……やっぱ意外だな。でも助けてもらったくせに。誰、は酷いと思うけどー?」」
……あぁ。
このイケメンがさっき助けてくれたんだ。
目線の少し先に無様に地面に倒れているさっきの男。
大方、殴ったりでもしてくれたんでしょう。
「……助けてくれてまぁ、ありがと?じゃ、手離してくれる?」
イケメンはあたしの手を掴んだまま。
するとイケメンはそっとあたしの手をはなす。
「ありがと。またどこかで逢えたらいいねー?」