「……ンッ」
声が漏れてしまう。
そしてあたしは藍都の首に手を回そうとするけれど…。
「なぁ、俺の存在…忘れんなよ?」
グッとあたしを誰かが横から押し倒した。
藍都に挟まれていた頬もすんなりと離れ。
すっごく不自然な格好で押し倒されてしまった。
押し倒した犯人は愁。
すんごい色っぽい顔であたしを上から見下しているけど…。
直ぐに、ドス、と言う音とともに愁の顔が歪められた。
押さえられていた手が一瞬緩んだことをいいことに、テーブルの上をさっと移動しちゃって、蓮が座っているソファーにポスッと座る。
そんなあたしには気づかず、二人は二人で何かやっていて。
あたしは蓮の傍にギュッと詰めて座った。