でもしぶとい凌は引くことなんて一切しない。
「行こ行こ行こーー!」
そう言って小さい子みたいにソファーの上でバタバタと駄々をこねる。
可愛い顔をしている凌がすると、ちゃんと様になっていることが凄いところだ。
しかし藍都は一向に凌に視線を向けない。
そして凌は更に騒ごうとしたとき……。
「あれ?凌ちゃーん?何してーんの?」
金色の髪を輝かせながらへらへら笑っている愁と、うっすらと笑みを浮かべている蓮が扉を大きく開け放って生徒会室に入って来た。
この生徒会室はこの四人以外入室禁止で、完全なプライベートルームと化してしまっている。
真ん中に低いガラステーブルが置かれており、その四方に大きすぎるほどのソファーが四つ置かれている。
その周りには生徒会室とは思えないような設備が完備されていて。
とても豪華な生徒会メンバー専用の部屋である。
もちろんそんな豪華な特典が付くほど、生徒会の影響力は絶大である。
この学校の素晴らしきイケメン……いや、イケメンを更に超えたイケメンが集まっているのだ。
存在感、威圧感…、その場にいるだけで全ての視線を一身に集め、そして男女関係なく人々を魅了す。
実際に可愛らしい顔をしている凌も、チャライ愁でも。
生徒会以外の人と接する時があるなら絶対的な存在となっている。
誰も逆らえない。