……思い違い?


『……行くよ?』


「あっ、待って……っ」


私は佐倉くんの近くまで行って、

一緒に階段を下りた。

なんだか静かだなぁ……。


ほとんどそこからは無言で、

佐倉くんも私も話さなかった。


私は、佐倉くんが話してないから

話せないだけだったのかもしれないけど。


ただただその時間は、

私と佐倉くんの上履きの音だけが

階段のところで響いていただけだった。