「え……?」


ガシャッと図書室の扉の閉まる音。

閉めたのは佐倉くん。


『なんか言った?』


その音に紛れて私の小さな声が聞こえたらしい。

……今、私ドキドキしてる。


「佐倉くん、さっきなんて言ったの…??」


私が訪ねてみたら、

少しだけ目を合わせた後……、

目をそらして。


『俺の前だとあんま笑わないから』


……目を合わせた瞬間、また心臓の音がうるさい。


「えっ……と………」


『………他の人だと笑うのにさ』