その後、すぐにそらして、


『…………帰るか』


って言った。

ちょっとだけ愛想の無い感じだったけど。


「うんっ!」


一緒に帰っていいってことだよね?


『じゃぁ、またね』


かおりちゃんに手を振られて、


「うん、また」


私もふりかえす。


そう言って私たちは図書室を出ようとした。


…………かおりちゃんは今、

佐倉くんのことどう思ってるのだろうか。


少なくとも好きな人が違う女の子といたら、

私は嫌になってしまうんだけど……。


もしかして、やっぱりまだ……、

嫌だよね…?