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「さ、佐倉くん……」


……今私は佐倉くんの席の前に立っている。

オドオドしながらだけど、佐倉くんの目を見て話しかけた。


『…………岡野さんか。なに?』


いつもの声より低くて、

沈んだ声を聞くと、

いつもより元気ないのが分かる。


表情だけでも何となく、分かるけれど。


「……体調、悪いの?」


『……体調?』


そう言うと佐倉くんは少しだけ、首を傾げて、


『別に悪くはない』


と言った。