「ゆ、佑都(ユウト)!!」
先輩から助けてくれた男の子に叫んだ
佑都は信じられないというような顔をした
先輩はというと佑都が睨みをきかせそそくさと逃げて行ったみたい
「ちょっとこっち来い」
「え、えぇ!?」
ぐいっと引っ張られて空き部屋に押し込まれた
会いたくて会いたくてたまらなかった人が目の前にいる
やっぱりあれは夢だったんだ
やっと夢から覚めたんだ
「ゆ、『俺は佑都じゃねぇ』
佑都と呼ぼうとしたら声を被せてきた
「俺は遣都だ。
佑都は俺の兄だ……」
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