「うわー、そうだった。じゃあ体育も当分フォークダンスじゃん。」

ガックリと項垂れるシロ。

あたしはむしろちょっと楽しみだ。だってもしかしたら先生もあたしのとこまで回ってくるかもしれない。

堂々とみんなの前で接することが出来る機会なんて、限られてるから。


「そうそう。体育も当分フォークダンスだから、男女合同な。」

中村さんはそう言って、篠原先生に「すいません、よろしくお願いします」と言って出て行ってしまった。

任された先生はと言うと、教卓の前に立ったシロを楽しそうに見てた。

それを見てたら何となく分かったけど、多分先生も行事とか好きなんだと思う。


「よし、じゃあとりあえず黒板に種目書くから、自分が出たいやつのとこに名前書いて!」

うん、やっぱりシロが適任だよ。

シロの言葉でクラスメート全員が動き出すから凄い。こういうの向いてるよ。


「茉央、何に出る?」

「梨花は何に出るの?」

「あたし借り物競争に出ようかなって思ってるんだけど。」

借り物競争ね。あれって結構注目されるからあたしの選択肢の中からは排除されてたんだけど。

「茉央も一緒に出ようよ。」