いつもお母さんには、 「危ないから川に近づいちゃだめよ」 とよく言われていた。 でも、帽子を取りたくって…… 頑張れば届くかもしれない、そう思って大きく手を伸ばしたその時……… 「わぁっ!!」 斜面になっている芝は、とても滑りやすい。 私は見事に足を取られて滑ってしまった。 帽子にはなんとか手が届いたものの、私の体はぶら下がったまま。 恐怖に耐えながら、ちょっぴり丈夫そうな草を掴んで必死に踏ん張っていた。