おつかいに行った帰り道。 帰りには、すっかり日が傾いて、空がオレンジ色に染まっていた。 また帰りも当たり前のように公園の前を通る。 公園からは、子どもたちの騒がしい声が聞こえてきた。 そんな公園を通りすぎようとした時、同じ学校の男の子が通りかかった。 それも学校中で人気者の男の子。 まだ入学して間もないのに“王子”と呼ばれていた桐生くんだった。 「確かにかっこいいな」 無意識に出た本音。