「ありがとう」



受け取ってかぶった男の子は、とても麦わら帽子が似合っていた。



「とっても似合ってる!」



ニコッと笑うと、男の子もニコッと笑い返してくれた。



さっきまで泣いていたのが嘘のよう。



何も知らない男の子とは、このあと別れたっきり、ずっと会うことはなかった。



もう一度会いたくて……



公園に行っても会うことはできなかった。