「はぁ、はぁ…間に合って良かった……」



私を引き上げた男の子は、ペタッと地面に座り込んだ。



その隣に、恐怖から開放された私も座り込む。



「大丈夫?」



一息ついてから、私の顔を覗きこんで、心配そうに聞いてきた。



「うん…ありがとう」


「よかった」



安心したのか、ニコッと微笑んだ男の子。



この時だ、幼かった私が幼いながらも“恋”というものを知ったのは。