チュンチュン...

「ふぁ~。もう朝か」

神崎美香。高校一年生。

入学して約三か月がたった。

今日もいつもと同じように顔を洗い、歯をみがき、髪をストレートにし、制服を着る。

みんなはメイクとかしてるんだけど、私はちょっと苦手だからできないの。笑




「おはよう」

「おはよう、美香!ご飯食べちゃいなさい?」

「はーい」

私の父親は小さい頃に事故で亡くなってしまった。

でもママは意外とすぐに立ち直ってて。

その6年後には再婚した。

とっても良い人だったし、この人とならママも寂しくならないかなって思ったから私は反対しなかったの。

そしてそれと同時に兄妹ができた。

同い年の春樹。

誕生日が春樹のほうが早いからあっちがお兄ちゃんてだけなんだけどね!



私が朝ご飯を食べてると...

「はよ」

「おはよー」

「あ!起きたのね!春樹もご飯食べちゃってね?」

「あぁ」


私達家族は義理だからぎこちないって訳じゃなくて、本当の家族みたいな関係。

パパもママも働いてる。

パパは普通の会社なんだけど、少し偉い立場にいるから帰りが遅かったり出張が多い。

ママは看護師。

家族四人が揃うことは多くはない。

だから春樹と二人になることが多い。

でもまぁみんな仲良し!









「明日から3日間パパもママもいないからよろしくね~」

「わかったよ~」

2人ともいないのかぁ。


「春樹はなんかあるの?」

「別になんもねーけど?」

「そっか」


そっけないなあ。

でも学校では男女問わずかなり人気。

まぁ学校では私には見せないような笑顔なんだよね。

ちょっとショックだったり...

でもたまに優しいとことかキュンときちゃうんだよね。



「ママいってきまーす」

「いってらっしゃい!」


春樹と私は別々に登校。

みんな兄妹って知ってるみたいだけど。

春樹が嫌がるからしょうがない。

私やっぱ嫌われてるのかなぁ...




「美香ー!おはよっ♪」

「亜里沙おはよ!」


この子は親友の亜里沙。

元気なふわふわのショートカットが似合う女の子。

ほんとかわいいんだぁ。

春樹のことも相談してて、いつも真面目にきいてくれる。




窓側の席について外を眺める。

なんかいつもと同じで平和なんだろうけどつまんないなぁ。

恋したいなぁ…なんて。

確かに私は春樹が好き。

でもいくら義理だからって好きなんて言えない。

私がこの気持ちを打ち明けることで今の家族という関係が崩れるのは嫌だから。


絶対に言えない...



あっというまに授業が終わり、亜里沙と帰ることにした。


「なーんか浮かない顔してるね?美香」

「うーん。なんか毎日同じでつまんないんだよなぁ」

「じゃあ恋をしよう!」


言うと思った。


「恋ならもうしてるってば~」

「そうじゃなくて!春樹くんじゃない人と」


何言ってるの?

私は春樹が好きなのに無理に決まってるじゃんか。


「美香はまわりを見なさすぎなの!美香のこと狙ってる人たくさんいるのにぃ!」

はいいいいいい!?

「そんなのいるわけないじゃん!」

(小声)「美香は無自覚だった...」

「ん?」

「なんでもないよ...」


なんて言ったんだろ?

まぁいいや。


「よし!とにかく合コンしよ!!」

「えええええ?無理無理!」


合コンて...

私やだよ...










「はい決定~。」

「やだよー」

「でもこのままじゃ前に進めないよ?いいの?」


確かにそう...

そばにいれればいいとか言って逃げてただけなのかも。

これを機会に新しい恋でもすればいいのかな?

うん。そうだよね。


「亜里沙。私行く」

「ほんと!?そうこなくっちゃ!じゃあ急だけど明日にしよ!」

ほんと急なんだから。笑

「わかった!」

「じゃあ美香、ばいばーい!」

「ばいばーい」


元気に手を振ってかえっていった。


よし!

明日はちょっとオシャレしようかな。

オシャレって言っても制服だから髪とメイクしかできないんだけどね。





帰宅してご飯を食べてお風呂に入って、今日ははやめに寝ることにした。


明日のことを考えてると緊張してきちゃった。

合コンとか行ったことないし。

もう寝よ。


少し緊張しながらも意識を手放した。

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