「お前、めっちゃ濡れてんじゃん」


「…うるさいっ」


さっきの事もあり、更に濡れたあたしを見て坂城君は「うわーっ」という顔で見てきた。


…寒い、すっごい寒い。


「…ったくバカな事すんなよな」


「ばっ、ばか!?」


「お前風邪ひいたら、俺困るんだけど。そーゆーの、ちゃんと考えろよ」


「…チーコロ?」


坂城君が困るというと、それしか思いつかなくなってる。


「ちげぇよ、勉強。」


「…ああ」


「休まれたら困るんだよ。だから帰ってあったかくしろよ、センセ」


「…うん」


空はどんどん暗くなってきてた。