「そうだね、関係無かったね!」


ふんっ、とイライラしてる気持ちを爆発させて、ずんずんずんと速足で歩く。


そういえば、何秒か前もこんな風にずんずん歩いてたな。


なんて考えてると、さっきみたいに余裕そうな顔して歩く坂城君が隣に居ない事に気がつく。


………ふんっ。


少し感じた妙な気持ちを振り払って、ずんずんずんと進む。


その時だった。


――――ポツッ。


何かがあたしの頭に降ってきた。


――――ポツッ、ポツッ。


続けて降ってきて、ああ、雨か…と気付く。


ポツッ、ポツッ、ポツッ。


いつも折り畳み傘を入れてる所に手を伸ばす。


だけど、何か違和感に気付く。


……な、無い。


ポツ、ポツ、ポツ、ポツ。


なんで!?と思ったその瞬間、いつかの雨の日に使って以来傘入れにつっこんだままだった事に気付いた。


ポツポツポツポツポツポツポツ


雨は容赦なくふってくる。


…しょうがない、走ってかえ…。


そう思った瞬間、雨の音が変わった。


ボタッ、となにかにあたる音がして思わず上を向く。


…傘。


「…坂城君」


振り向くと、傘を持った坂城君が居た。