「お嬢いってらっしゃいませ!!!」

いかつい男たち(若い衆)の声がひびく。

学校までの10分間は

たわいのない会話で盛り上がる。

「んぢゃー電話するから、迎えね」

「おう。お嬢いってらっしゃいませ」

私は車からおり、学校を見上げた。

ふりかえると、彼はまだ車を動かさず

私を見ていた。

私はにこっと笑い手をふった。

彼は普段結構無口だし笑わない。

笑ってくれるし、話してくれる彼は

私にとって大切な存在だ。