嫌な気持ちになった夕飯も終わり、お風呂にも入って、1人で部屋に向かっている時だった。

「うわっ…!?」

後ろから誰かに突然腕を引っ張られたと思ったら、どこかに連れて行かれた。

ちょっと、何…!?

パニックになりかけたあたしに、
「梨代」

聞き覚えのあるその声が名前を呼んだので、あたしは視線を向けた。

「…先生?」

先生だった。

「えっと…」

「非常階段」

ああ、あたしたちが今いる場所か。

じゃなくて、
「何し…ッ!?」

触れるようにふさがれた唇にさえぎられた。