「小野妹子殿、お前は実に真面目で熱心な良い部下だった。
..だが、返書を無くした罪の大きさは分かるな?」

「...ええ、分かります」

「宜しい。その潔さも素晴らしいが
もう終わったことは戻せない。



────これより小野妹子を処刑する。
準備せよ」



これでいい。
これでいいんだ。

ぼくが死ねば太子は生き残る。

太子には、生きてほしいんだ。

今太子はどこにいるのだろう。

朝廷内にはいなかったから、外で仕事をしているのか。

太子に会いたい。

せめて、会ってから死にたい。


だが時間がない。
流刑となるだろうから、準備に時間はかからないはずだ。


「太子........!」

怖い。
落ち着いていたはずなのに、
やっぱり怖い。


太子─────────!!!!!!