「隋の皇帝にとっては隋こそが世界の中心。

その他は取るに足らない国。

従って“天子“は隋の皇帝ただひとりということ。

倭国の王が天子など有り得ない。

ということがこの国の基盤だったのか」


酷い怒りようだったな.....
帰れとまで言われたし。


倭国を目指してゆっくり船を漕ぐ。


「......そうだ」


この皇帝からの国書をどうするべきか。

この返書は多分お怒りの文だ。


しかし今頃国は隋の皇帝が倭国を認めてくれたと思っているのだろう。

皇帝がお怒りになったなんて知れたら
まずいのは

─────────太子。

不適切な表現を書いたのは紛れもなく太子だ。
責任は彼一人だ。


ぼくは返書を読んでみた。


「これはいけない.........!」