「ごめん、本当にごめん、妹子....」


太子は泣いていた。


「太子.....」


「蘇我馬子さんも言ってくれたんだ。
“妹子が処刑なんておかしい“
“もしかしてだが太子の国書に不適切な点があったのでは?“とな....やっぱり妹子...」


駄目だ!
このままでは太子が処刑されてしまう...!


「本当に誤解ですよ。
ぼくが大運河の航海で無くしたんです。
太子の国書は関係ありません」


「まだ言うのか.......
お前ほどいいやつはいないよ。
どんなに妹子が言っても私は信じないぞ。


よし
皆の共、私が処刑だ。



妹子、今までありがとうな。
今日は最高の日だったよ。
こんなに良い部下に出会えて嬉しかった.....」


濡れた目を擦って、
にこっと、
あの笑顔を見せてくれた。


「妹子........」

ぼくも涙が出た。

そして、決めた。


「太子が処刑されるのならば、
ぼくも死にます。
.....ぼくも太子に出会えて嬉しかったですよ」


大粒の涙が頬を慕った。
そのたびに太子はぬぐんでくれた。