ぼくは小野妹子。

607年、

遣隋使として聖徳太子の下へ就くことになった。



ぼくが今目指すは
隋の皇帝“煬帝“
聖徳太子が書いた国書を届けにいくのである。



「とうとう今日ですよ、太子」

「ああ。私の書いた国書なんだからきちんと渡してくれよ」

「分かってます。隋の皇帝は友好的であると限りませんし」

「うん。じゃあ」

「いってきます」



太子と別れ、船に乗った。


皇帝を伺うのだから、それに相応しい態度を取らなければ。


そう自分に言い聞かせ、ぼくは隋へと向かった。

およそ一週間にも渡る航海が続く。





早く国書を渡し、倭国に戻りたい。