「?」


キョトンとした彼の顔は、なんとも言えない魅力がある。


パクパクと口を震わせている格好悪い私と、整った顔を更に愛くるしくした様な・・・


って!私の、そのファースト、チュウーを奪った人に見とれてる場合じゃっ!


「ミーコ?顔赤いぞ?」


いつのまにか体制を戻した彼は、私の目の前に胡坐をかいて座っていた。


そして、つん!っと弾く様に、私の赤くなった頬に触れる。


「あ、赤くなんか!」


実際は火が出てしまうって位熱い顔。


見つめられてると思うと、胸の奥がキュン!って痛くなる感じ。


それもこれも彼が素敵だから仕方の無い事。


性格はともかく、彼は人を惹きつける何かを持っている。


それは生まれ持った容姿も関係しているとは思うんだけど・・・。


「ミーコ、寝ないの?」


すっかり眠気も覚めてしまったのに、彼はのん気に欠伸を連発。


でもせっかくだから寝てしまいたい。


目の前の枕に顔を埋めて、思いっきり熟睡したい。


だけど・・・


「あの、」


私だって一応女の子だし、男の子(しかも初対面)が隣にいて寝れるはずも無い。


言葉に詰まって彼を見上げると彼はニコっと微笑んだ。


「ああ。大丈夫。ずっと傍にいてやるから」


そういうと、彼はギュッと私の手を握った。



そのぬくもりは、とっても暖かいものだった。