「えっ、っと・・・知り合いでしたっけ?」


こんな格好良い王子様みたいな人が知り合いにいたら覚えてない訳ないし・・・


まして、年上の男の人となんて知り合いなはずが無い。


「ううん。今さっき初めて会った。」


ニコっと笑っている彼は、とても不思議なオーラがある。


初対面なのに落ち着ける空気。


初対面なのに引き込まれる空気。


「よく猫みたいって言われない?」


彼に見とれていると、突然彼はそう言った。


「へ?猫、ですか?」


「そー。猫。猫って言っても子猫の方」


正直あんまり周りから


“~に似てる”


とか言われた事無いからなぁ・・・


芸能人とかも言われないし、特に・・・


「まーいいや。俺は猫に似てるって思ったから」


そう言うと、彼は私のあごをコチョっと撫で始めた。


それは本当に猫を撫でるような手つきだった。


「んぅっ」


くすぐったいけど、不思議な感じ。


でも気持ちぃぃかも・・・。