「一年生がいるなんて珍しいね。しかも一人で爆睡」
ケタケタと笑うのはソウ。
タケは興味深深に覗いている。
「幹夫ー、お前絶対気に入っただろ」
「・・・」
スースーと寝ている姿は本当に子猫みたいだった。
春と言っても肌寒い。ブルブルとたまに震える姿も何故か可愛らしい。
「保健室連れてって寝かして来る」
丸まったままの猫を持ち上げて中庭を後にした。
「・・・幹夫って本当マイペースだよな」
「うんうん」
「あの子猫ちゃん襲われるかな」
「いやー幹夫だよ?襲いはしないっしょ」
「だな、アツシだったら危ないけど」
「あ?」
「まぁ、大丈夫っしょ。俺たちも授業行くかー」
そのまま幹夫の友達は中庭を立ち去り、幹夫と美依は保健室へと向かった。