そこにいたのはもちろん・・・
「あの、ちょっといいですか?」
お友達と喋る先輩に気づかれないように香奈子さんに話しかける。
「・・・」
この問題を抱えたまま今日を終わらせるわけにはいかない。
ここぞと言うときに力を発揮させるのは私の長所だ。
(って前に先輩が言ってくれた)
――――――――
先輩から見えない所まで、二人無言であるく。
「美依ちゃん、ここでいいよね」
調度大きな木で隠れた場所で足を止めた。
「あの・・・私、先輩にちゃんと聞きました。昔のことは」
先輩はカッコイイし優しい。
彼女さんがいたって仕方のないことだって分かってるの。
それに付き合う前にちゃんと話してくれたから。
だから気にしないって先輩と約束したんだもん。
「聞いた?アイコの事聞いたの?」
アイコ?
「聞いたのに平気で付き合えるの?可愛い顔して、そうゆうの平気なんだ?」
なっなに?話がついていかない。
「意外と純情そうな顔して寝取ったとか?」
「寝っ!?」
カァーっと顔に火が付いたみたいに赤くなる。
それに・・・
“取った”?
「最低・・・」
そう呟いた香奈子さんの顔はすごく辛そうだった。