やっと着いたバーベキュー場。
足場の悪い地面で何度も先輩が支えてくれた。
その都度にっこり微笑んでくれて、ゆっくり歩いてくれる。
もちろん私の大きなバッグも先輩が軽々と持ってくれているので、私は頑張って歩くだけだった。
着いたバーベキュー場はすごく賑わっていて、落ち込んでいたのも忘れ走り回る。
「ミーコ!名札付けてねーんだから迷子になるなよ」
笑いながら先輩に言われて、私は頬を膨らました。
大人っぽい香奈子さんの前でからかわなくたって!!
ぷいっと方向を変えた瞬間、誰かとぶつかり足に鈍い痛みと熱さを感じた。
「美依!!!」
先輩の大きな声が聞こえたけど。ヒリヒリする足に気が行ってしまう。
バーベキューに使っていた熱い鉄板だった。
「・・・・っ」
痛みが襲ってきた瞬間ふわっと抱き上げられる。
「せんぱ・・・」
顔を上げた先には、少し息切れをした怖い顔の先輩。
「痛いならしがみついてろ」
怖いけど優しい先輩に、痛みとは別の涙があふれる。
ごめんなさい。
こころからそう呟いた。