「先輩・・・さっき何を言いかけてたんですか?」
「あー・・・それはもう忘れろって」
キーコ、キーコ、っとゆっくりブランコがゆれる。
先輩の両手は私の体を抱きしめているから、私がしっかりと鎖を持つ。
「や、だ・・・」
「ミーコ」
「やだやだっ気になるもん」
駄々をこめる子供のように下を向いて拗ねる。
先輩がすぐに子供扱いしたりするのも納得がいく。
「先輩のこと、ちゃんと知りたい、です」
そう呟くと、先輩はハァっと息を吐く。
その息が耳にカスって、ちょっとくすぐったかった。
「余計な事言うんじゃなかったな・・・」
ブツブツと言う先輩の顔を振り返ってじっと見る。
「分った。言うけど・・・」
「けど、?」
じっと見つめ返してくる先輩。
「俺が言ったら、その後ミーコも言えよ?」
トクンっと胸を打つのが分った。
“何を”言えよって言われなくっても分った。
さっきの続き・・・
【先輩が好き】の続き。
「分り、ました」
真っ赤な顔を隠すようにコクンと頷いた。
「それと。俺が今から何言っても泣かない。いい?」
泣く、?
「ミーコの泣き顔見たら、俺止まんない」
止まらない、って何がだろうと思いながら、「泣きません」と言う。