「悪い、穂波。一人で帰れるか?」

え?


そう思ったのは私だけでは無くて、隣にいる穂波ちゃんもキョトンとする。


「ミーコ、そこの公園で遊んで欲しいか?」


先輩が指した先を見ると、小さな公園があった。


ベンチとブランコしかない小さな小さな公園。


いっ行く!!っと言う意味で首を縦に何度も振る。


「穂波、悪いな。近くだから平気だろ?


ムスっとしてしまった穂波ちゃんをなだめるように頭を撫でる。


「ミキ、前はもっと一緒にいてくれたのに」

「美依ちゃんよりずっと!」

「穂波」

どうしよう...私が我が儘言ったから、


先輩とふたりきりがいいなんて思ったから...


穂波ちゃんが泣いちゃう。


「ミキと美依ちゃん付き合ってないんだよね?」


穂波ちゃんが少し赤い目で私を見つめる。


「え、っとその...」


付き合ってない。


だけど!


「好き、だから」


「は?ちょ、ミーコ?」


「先輩の事好きだからっ」


あたりはシーンとしていて、私の声だけが住宅地に響く。



って、あ...!


言っちゃった...


カーっと全身の血が熱くなる。