先輩のお友達はいつのまにかいなくなってて、気が付いたら先輩と二人きりだった。
誰もいない空教室に入り、机に座る先輩。
私も同じ机に座らせられて、はっきり行って二人の距離は近い。
・・・きっ緊張する!
カコちゃんに言われたのってなんだっけ!?
な、名前?学年、趣味?特技?
グルグルと色んなことが頭を駆け巡る。
「ミーコ?」
横から顔を覗きこまれて顔と顔が急接近する。
「せ、せんぱ・・・」
男の子とこんなに接近したのは本当に初めてで。それも超とびきりの王子様。
カッカッと顔が赤くなる。
未だに何故か手が繋がれていることにもビックリしてるのに・・・。
「ミーコって天然だよね?こんな風に連れてこられても、怒りもしないし」
天然っではないような、でもっ!
「それに言いたい事が顔に出てるし」
へ!?
「俺は3年の木下幹夫。趣味は子猫観察」
「子猫?ニャン子飼ってるんですか?」
「違う。そうゆう子猫じゃないよ」
??
他にどんな猫が・・・
そんな事を思っていると、ふいに唇に温かいぬくもりを感じた。
「・・・んっん」
ぺロっと唇を舐められて、チュッと離れた。
「ミーコ。子猫って言うのはミーコの事」
イタズラそうに笑うと、両手を肩と首に回されて豪快に抱きしめられた。
「やばいんだよね。ミーコ可愛すぎる」
私の髪の毛に寄り添うように、顔を埋める。
「せんっ」
恥ずかしくて先輩の腕の中で暴れると、それさえも愛しそうな眼差しで見つめる先輩。
ドキドキして心が潰れちゃう。
先輩の胸の中が幸せすぎる。
どうしちゃったの?私・・・