「えっと、今日始めて知り合ったの」


そうだ、しかもキ、キスまでされた・・・。


爆発してしまいそうな程赤くなっていると、カコちゃんはもっと嬉しそうに笑う。


「名前は?何年生?」


「えっと、・・・分らないけど先輩だって・・・」


私は名乗ったけど、そういえば名前聞かなかった・・・。


「もうー!」


鼻からフーン!っと息を吐くカコちゃん。



カコちゃんは格好良い人に目がないもんね。


「まっ!いいや。とりあえず帰ろうー?暗くなったら美依のママとパパに怒られちゃう」


ほら荷物!っと言いながら私のカバンを持ち上げた。


「教室から持ってきてくれたの!?ありがとうーカコちゃん」


ギューっとカコちゃんに抱きつくとヨシヨシと撫でてくれる。


「お礼はさっきのイケメンの名前と年で良いからね!」


えーー!?


「あんな格好良いんだもん!絶対目立つはず!美依頑張ってね!」


また彼に会ったら・・・


今日みたいにドキドキするのかな?


今日出会ったばかりなのに、


名前も知らないのに、


王子様みたな彼にすごいドキドキしてる。


名前、知りたいって思ってる。


また会いたいって思ってる。


「はぁー・・・」


今までに無いこの気持ち。


私の暖かい恋の始まりだった。