昔から、機械オンチの紺くんがスマホを持っているなんて…何だかおかしい。


「は?あれ?――えーっと…ん?ここを…こう…だっけ?」


そして、独り言が達者で。

そんな紺くんをウォッチングするのも、私の楽しみの1つでもある。


「ふふっ」


面白い。自然と笑みがこぼれる。

昔はあまり笑わなかった私。結構成長してるよね。


これもきっと、2人のおかげだ。


「おい、紗衣!何笑ってんだ!」

「あははっ。紺くん、面白いなーって思って」

「紗衣に笑われるなんて…何か腹立つ」

「ふふっ。それより紺くん、口悪くなったよね」

「そうかな?…気をつける」

「あっ、私は大丈夫だよ!きっと、大希くんの言葉が写っちゃったんだよ。私は大希くんの言葉、慣れてるし」


小さい頃からずっとあの口調だもん。

いつも“だろ”とか“だぜ”とか、男らしい言葉使っちゃって。


最初は変に思ったけど、今はもう慣れっこ。


大希くんも紺くんも、何かもう…同じ扱いって感じかな。