…でも、今は…。





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「紗衣」


今日最後の授業が終わり、帰る準備をしていると。


「あ、紺くん」


今日もまた紺くんが、隣の私のクラスまで、迎えに来てくれた。

慣れないスクールバックに荷物を急いで入れる。


「あーあっ。何で僕だけ2組なんだよ。僕も紗衣たちと同じクラスがよかったのに」

「あはは。しょうがないよ」

「でもさー…結構寂しい。2組、知り合い誰もいないし」

「隣のクラスだもん。休み時間とか、ここおいでよ。私も友達いないから…」

「よっしゃっ!絶対行く!明日から行くからっ!」

「うん。来て来て」



あれから月日は過ぎて――高校1年生、春。


私たちは、出会って10年以上経ってるのに、今でも仲良しで。

3人とも、ちゃんと同じ高校に入学できた。


私と大希くんは、1年1組。紺くんは2組。

流石にそこは、3人一緒にはなれなかった。



「紗衣、準備できた?」

「もーちょっと…」

「はぁ。もっと早く準備できねーのかよっ」

「ごめんごめんっ。待ってて」


待ちくたびれた紺くんは、片手にスマートフォンを持ち、何やらアプリを触り始めた。