その後は、3人で砂場でお城を作った。
確か…私が砂を運んで、大希くんが水を運んで、紺くんが形を作ってた。
――初めて、“友達”っていうのを実感できた。
―――
『じゃあ、僕はそろそろ帰ろうかな』
『おー。じゃあ、俺らも帰るか、紗衣』
『うん』
夕日が沈む、オレンジ色の景色の下。
『今日は楽しかった。一緒に遊んでくれてありがとな、大希、紗衣ちゃん!』
『俺も!紗衣は?』
『…紗衣も。楽しかったよ』
『よかった!じゃあ、もう僕たちって…』
普段はあまり目に止めない夕暮れが、凄く綺麗に見えた。
それは多分、3人が初めて出会った日だったから。
『…そうだな!』
それと、もう一つ。
私と、貴方と、紺くんが――
『…紗衣と、大希くんと、紺くんは…』
『もう、友達だっ!』
友達になれた、素敵な日だったからだ。