入れたての紅茶を持って
モト兄の少し離れた横に座る


「はい。熱いよ。」


カップを手渡して
薄紅色の紅茶を見つめる


「ありがとう。
大学はどう?最近、連絡できなくてごめん。」


モト兄の視線を感じる


私は紅茶を見つめたまま


「大丈夫。
仕事忙しいんでしょ?
私もサークルとか飲み会で楽しかったし…。
きにしないで?」


笑顔をみせた


本当は全部うそ…

毎日のようにモト兄からの連絡を待ってて


小西奈津子の報道にビクビクして


吐くくらいに酒で誤魔化していた


素直に言えたらいいのに


でも
モト兄の前に立つと何も言えなくなってしまう