〜♪


アラームとは違う音が私を眠りから引き離す


誰からだ…ろう?


眠り眼に写った

【着信 モト兄】


の文字…



!!


一瞬にして目が覚める


一呼吸おいてから
電話に出た


「もしもし」



『あ、俺。
起こした?』


久しぶりに聞く声

いつもと同じ声


なのに
心がこんなにもざわついた

「大丈夫。
どうしたの?こんなに朝早く。」

まだ午前4時過ぎ

『今仕事上がってさ…。りょうの声が聞きたくなった。最近、会えてなかったし……。』


モト兄の言葉を素直に喜べない自分がいる


本当に仕事だったの?
小西奈津子と一緒にいたんじゃないの?


言いたい言葉を飲み込む


『でさ、今日は大学終わってからなにか用事ある?
久しぶりにOFFもらったから…うちに来ないか?』


え…っ!?

行ってもいいの?

モト兄は私に会いたいって思ってくれてる?


「わかった…
今日は講義休みだから、始発で行ってもいい?」


早く会いたかった
モト兄が私に会う事を望んでいるなら私はなにも恐れず会いに行ける


『…わかった。
待ってるよ。気を付けてこいな?』

明るくなるモト兄の声


「うん。」


電話を切ったら
不安なんて吹き飛んで

私はウキウキでモト兄の家に行く準備をしていた