モト兄と監督たちが仕事の話を始める


私も自分の作業に戻る

離れてみると本当に別世界の人たち


ぎゅっ
モト兄からもらったピックを握る


地味な作業を終えて現場をあとにしようとしたとき

足元にキラッと輝く指輪


「あれ?
なんだろ?」


拾おうと手を伸ばしたときに別な方向から伸びてきた手が重なった


「「あっ…」」

視線の先には
小倉潤くん!!


固まる私

潤くんはきれいな長い指で指輪を拾いあげた

「拾ってくれようとしてくれてありがとう。」


軽く微笑む


私は緊張と恥ずかしさで顔をあげることができない


「い、いえ。こちらこそ、すみません。
失礼しましたッッ!」


一礼して潤くんの前から去ろうとした時

クンッ

っと髪の毛が引っ張られた
「いたっ!」

見ると潤くんのボタンに私の髪の毛が絡まってる

「ぷっ…!」
思わず笑う潤くん
私は逆に自分の間抜けさに泣きそうになる

「あ、その、す、すみません!今、髪切りますからっ。」


髪の毛を引きちぎろうてした私の手を止める


「やめなよ。もったいないよ?」

潤くんが器用に髪の毛の絡まりを解いていく


さらっと私の肩に戻る髪の毛

「はい、できた。
きれいな髪なんだから切ったらもったいないよ。
じゃーね。」


そう言って撮影の輪に戻っていく潤くん

っつぁぁぁあ!!
弾き飛びそうな心臓

死ぬかと思った


私は緊張と恥ずかしさから解放されてよろよろとその場を後にした