愛のむずかしさ。
わたし、矢澤真唯
(やざわまい)
名邦中学3年生。
毎日つまんない。
時間だけが過ぎていく…。
そんな日々を送っていた。
わたしの家族はばらばら。
いわゆる親の離婚で私はお兄ちゃんと離れ離れになってしまっている。
お母さんとお父さんは
私のことが嫌い。
仕事ばっかりで私のことなんて
心にない。
昔はお兄ちゃんがわたしの心の支えだった。
3年前から
1人孤独に耐えないといけない。
今でもお兄ちゃんとは連絡はとっている。だけどなかなか時間が合わなくて会えるのは1年に一回程度かな。
お兄ちゃんが愛をくれてた。
わたしを愛してくれてた。
お兄ちゃんがいない今。
わたしなんてこの世にいる
意味がない。
学校もつまんないし、友達とも
うまく付き合っていけなくて、
いっつもひとりだった。
私に『愛』をくれる人はひとりも
いなかった。
そう、いなかったんだ。
あなたと出会うまでは…
あるとき、暇つぶしに
携帯のアプリのチャットを開いた。そこで知り合った人のなかに
私より一つ年上の男の子がいた。
そのチャットでは
同じくらいの年の子は珍しくて
私はチャットを送ってみた。
その子の名前は麻山駿也。
(あさやましゅんや)
返事はすぐにかえってきた。
結構ノリが良くて返事も速かったからわたしも暇つぶしに返事した。
駿也と毎日チャットしているうちに
顔を見せなくていいせいなのか
画面だけだからなのかよくわからないけど
私とよく似た環境だと知った。
でも駿也は『愛』をもらってるって
わかった。
駿也の誕生日になったとき、
1枚の写真が送られてきた。
真ん中にいる笑顔の駿也。
その周りを囲んでいる家族と友達。
その写真はわたしにはとても
まぶしかったのをおぼえている。
駿也にはわたしの気持ちが
わからないんだなって
思った。わたしの家族のこととか聞いて可哀想な子だなって思ってたんだって思った。
でも違った…
駿也とわたしは電話番号を交換した。
それからは電話ばっかだった。
駿也はわたしの話を真剣に聞いてくれたし、可哀想な子なんかじゃないって、真唯はこの世に1人しかいないし、真唯のことを愛している人は
いるって言ってくれた。
わたしはいつのまにか駿也のことばっかり考えてて
ある日この気持ちが恋って
気がついた。
会ったこともない人にわたしは
恋をしてしまった。
わたしは思い切って駿也に告白したんだ。
“すき”って。たった二文字だけど
わたしにとってはこれが精一杯の気持ちだった。
駿也の返事は駿也もわたしのこと好きっていってくれた。
真唯のこと愛しているって
はじめて愛されてるって感じた。
生まれて初めて。家族でも友達でもなくて
あったことのない画面の中にいるひとに。
それでもうれしかった。
涙が出るくらい。
駿也の家はわたしの住んでるとこから飛行機で行かなくちゃいけないくらい遠かった。
中学生のわたしには会いに行ける費用がなかった。
だけどいつか必ず会いにいくって
きめてた。
なんやかんやで1年が過ぎ、
わたしは高校生になった。
わたしはバイトに打ち込む毎日。
寝る時間も少なかったけど
そんなの全然耐えれた。
駿也にあいたいから。
でも駿也とは連絡がとりずらく
なってた。
でも駿也のことをわたしは
信じてた。あいしていた。
お金がたまって、駿也のいる街に
飛行機で行った。
駿也の家の住所をたどって
街を歩いていたら、
今まで写真でしかみたことなかった
本当の駿也が目の前にいたんだ。
でも。
駿也のとなりには私ではない
女の人がいた。
その光景を見た瞬間
わたしの心は崩れた。
駿也のことを信じてた。
画面でしか話すことはできなかったけどそれでも信じ続けて愛していた。
わたし、矢澤真唯
(やざわまい)
名邦中学3年生。
毎日つまんない。
時間だけが過ぎていく…。
そんな日々を送っていた。
わたしの家族はばらばら。
いわゆる親の離婚で私はお兄ちゃんと離れ離れになってしまっている。
お母さんとお父さんは
私のことが嫌い。
仕事ばっかりで私のことなんて
心にない。
昔はお兄ちゃんがわたしの心の支えだった。
3年前から
1人孤独に耐えないといけない。
今でもお兄ちゃんとは連絡はとっている。だけどなかなか時間が合わなくて会えるのは1年に一回程度かな。
お兄ちゃんが愛をくれてた。
わたしを愛してくれてた。
お兄ちゃんがいない今。
わたしなんてこの世にいる
意味がない。
学校もつまんないし、友達とも
うまく付き合っていけなくて、
いっつもひとりだった。
私に『愛』をくれる人はひとりも
いなかった。
そう、いなかったんだ。
あなたと出会うまでは…
あるとき、暇つぶしに
携帯のアプリのチャットを開いた。そこで知り合った人のなかに
私より一つ年上の男の子がいた。
そのチャットでは
同じくらいの年の子は珍しくて
私はチャットを送ってみた。
その子の名前は麻山駿也。
(あさやましゅんや)
返事はすぐにかえってきた。
結構ノリが良くて返事も速かったからわたしも暇つぶしに返事した。
駿也と毎日チャットしているうちに
顔を見せなくていいせいなのか
画面だけだからなのかよくわからないけど
私とよく似た環境だと知った。
でも駿也は『愛』をもらってるって
わかった。
駿也の誕生日になったとき、
1枚の写真が送られてきた。
真ん中にいる笑顔の駿也。
その周りを囲んでいる家族と友達。
その写真はわたしにはとても
まぶしかったのをおぼえている。
駿也にはわたしの気持ちが
わからないんだなって
思った。わたしの家族のこととか聞いて可哀想な子だなって思ってたんだって思った。
でも違った…
駿也とわたしは電話番号を交換した。
それからは電話ばっかだった。
駿也はわたしの話を真剣に聞いてくれたし、可哀想な子なんかじゃないって、真唯はこの世に1人しかいないし、真唯のことを愛している人は
いるって言ってくれた。
わたしはいつのまにか駿也のことばっかり考えてて
ある日この気持ちが恋って
気がついた。
会ったこともない人にわたしは
恋をしてしまった。
わたしは思い切って駿也に告白したんだ。
“すき”って。たった二文字だけど
わたしにとってはこれが精一杯の気持ちだった。
駿也の返事は駿也もわたしのこと好きっていってくれた。
真唯のこと愛しているって
はじめて愛されてるって感じた。
生まれて初めて。家族でも友達でもなくて
あったことのない画面の中にいるひとに。
それでもうれしかった。
涙が出るくらい。
駿也の家はわたしの住んでるとこから飛行機で行かなくちゃいけないくらい遠かった。
中学生のわたしには会いに行ける費用がなかった。
だけどいつか必ず会いにいくって
きめてた。
なんやかんやで1年が過ぎ、
わたしは高校生になった。
わたしはバイトに打ち込む毎日。
寝る時間も少なかったけど
そんなの全然耐えれた。
駿也にあいたいから。
でも駿也とは連絡がとりずらく
なってた。
でも駿也のことをわたしは
信じてた。あいしていた。
お金がたまって、駿也のいる街に
飛行機で行った。
駿也の家の住所をたどって
街を歩いていたら、
今まで写真でしかみたことなかった
本当の駿也が目の前にいたんだ。
でも。
駿也のとなりには私ではない
女の人がいた。
その光景を見た瞬間
わたしの心は崩れた。
駿也のことを信じてた。
画面でしか話すことはできなかったけどそれでも信じ続けて愛していた。