心優は、遠慮したのか、
「か、歌炉君からで良いよ・・!」
と言った。
僕は、心優にどこか悪いと思い、
「いや、み、心優から先に話して良いよ・・!」
と、先に言うように譲った。
が、心優は
「わ、私は大した話しじゃないから・・。」
と言い、少し僕から顔を背けた。
僕は、きりが無いと思い、僕から言う事にした。
「そ、それじゃあ・・」
心優は、
「うん。」
とだけ応え、僕の発する言葉を待った。
すると、さっきまで打ち上がっていた何発もの花火が終了の合図と共に終わった。
僕は、言えなかった。
でも、でも心優は待っていてくれている。
そう決心した時、不意に花火が上がって光った。
僕はその花火と同時に、
「ず、ずっと前から心優の事が好きでした!付き合って下さい!」
と、坂の下にいる人達にも聞こえるかの大きさの声でそう、言った。
心優は、驚きが隠せないでいて少し経ってから、
「わ、私も歌炉君の事が前から好きでした。こちらこそお願いします。」
と、照れ気味に言った。
僕は正直驚いた。
他の人の事を心優は好きだと思っていたからだ。
でも、僕は心優にその事は心優には言わずに忘れる事にした。

明日から、心優との新しい日常を送れると思っていた。

けれど、帰り道に心優から驚きの発言をされるとはまだ歌炉は思いもしていなかったのだ。