明日の予定や料理の話をしている間に陸の寝息が聞こえてきた。


そんな陸に布団をかけ直してアタシも眠りに落ちた。





ピピピピ


バチン



目覚ましの音とそれを止める音が耳元で同時に聞こえた気がした。



そしてその目覚まし時計を満足気に手に持って隣に寝転がっている陸と目が合う。




「今日も俺が止めた!!」



「ありがと。笑」


最近はこれが1日の始まりだった。



そんな陸を寝室に置いてアタシは朝食の準備を始める。


準備と言っても昨日のお母さんが持たせてくれたお節とお餅。



アタシは温かいお茶を入れるだけ。





テレビをつけても毎年毎年同じような番組しかしていない。



「陸~ご飯~」


「はぁ~い」



アタシは彼氏とお洒落にカウンターで朝食を食べるのが夢だった。



でも現実は二人してコタツから出ることができない。



陸は寝起きでもカッコイイ。



カッコカワイイという分かりやすい言葉を作ってくれた誰かに感謝したい。



それほどその言葉がピッタリで思わず見とれてしまう。





毎日一緒にいても慣れることはないこのドキドキと今日も一日戦うことになる。





「マキさんって彼氏いないの?」



「おらへんよ」



「へ~モテそうなのにね。」



「そうやね」




「えっ何々またヤキモチですか??笑


大丈夫!アズさんの方がカワイイから~」





またそんな顔してたのかな。。



アタシは昔からすぐ顔に出るから分かりやすいと言われる。


それは褒め言葉なんかじゃない。



大人の女にはタブー。




「じゃあとりあえず~片付けますか??」



昨日二人して暴れた結果部屋は大変な事になっていた。



陸がここに来るまではずっとこんな感じだったんだけど。。



顔を洗ってメイクもせずにメガネをかける。


そんなアタシの顔を陸が覗きこむ。