テレビでは紅白歌合戦が始まっていた。

でも好きなミュージシャンで年齢差を感じるのも嫌で二人してお笑い番組を見てゲラゲラ笑っていた。



どうやら笑いのツボは同じみたいで安心する。



そして今度は陸の携帯がなった。



『もしもーし』


『あっ親父生きてる?笑』



『うん。俺は元気。』



『真山くん?』



『うん言っとく』




『はぁいバイバイ』



久々の親子の会話は2.3分だった。


陸の親はいつ帰ってくるんだろぅ。。


その時陸はここから出て行くんだよね。



それを考えるとなんだか悲しくなる。



期間限定の恋かぁ。。



「おーぃ。アズさん聞いてる?」


陸の呼ぶ声に我に返る。
陸はコタツの外に出てアタシの頭の上の方に座っていた。


「お父さん?」

「うん。香港だって。」

「そうなん?」


いつ帰ってくるの?っていう言葉は出てこなかった。


そしてまたアタシ達は同じスペースに寝てテレビを見る。


「あっ年越しソバそろそろ食べる?」


「うーん。まだいいょ。」

陸がアタシの方に振り向いてアタシ達はお互いの息のかかる距離になる。


あっ。



キスされる。



そう思った。