もうすぐ出来上がるナポリタンを目の前にしてあっちの世界に帰るのが怖くなったアタシはサラダも作ることにした。



これだけは認めたらいけない。


陸との関係がおかしくなるに決まってる。



トマトをスライスする手も覚束ない。


「まだぁ??」




「もうできるよ」




アタシの気持ちを知ってか知らずか甘えた声で話しかけてくる陸をやっぱり見れなくて下を向いたまま返事した。



これ以上は無理という所でアタシは出来上がったナポリタンとサラダをテーブルに運んだ。



「おいしそう」



真山さんの言葉に遥がヤキモチをやく。


「じゃあ食べよっか?」



『いただきま~す!!』



一斉にフォークを手に取り食べ始める。


よっぽどお腹空いてたのかな。。笑




「アズさん、おいしい~!!」



「ほんま?よかった。笑」



アタシと陸の会話を遥がニヤニヤしながら見てくる。



この雰囲気アタシ。。苦手。


お願いだから余計な事言わないで。。



そう願いながらアタシは無言で食べ続けた。




「アズちゃんってほんまに料理うまいな」



そういう真山さんのホッペを遥が摘む。


遥は素直に行動できていいなぁ。



そう思いながら二人がじゃれ合っているのを見ていた。




そして何事もなく遥と真山さんは帰っていった。


2人になった部屋に携帯の着信音が鳴り響く。




遥?




【素直になりましょう☆★】



それだけの文だったけど今のアタシには一番堪えた。