「あるやん。これ」


自信満々にみんなに見せるもののやっぱり陸は動じない。



「それ誰からのメールか名前見て。笑」




ん?




名前。。。和樹さん??


・・・男??




「アズ??」


遥にまた携帯を取り上げられる。



「和樹って男じゃない?」




「そうだよ。俺、女だなんて一言も言ってない。笑」



「・・でもほんと俺の事好きだな~とか言ってたし。」




「うん。なんか気に入られちゃって~。和樹さんって先輩DJですごくいい人だよ」



「よかったね~アズ~。笑」






なんかすごく最悪な状況に陥りそうな気がする。。



アタシはそっとその場を離れた。





でもこの人達にそんな事通用しなかった。。




「アズ~アタシも手伝うよ~」



そう言いながらアタシの隣を陣取る遥に手伝う気なんてないのは分かってる。





「アズって分かりやすいね。笑」




玉ねぎを切るアタシの横でニヤニヤしながら立っている遥は気味が悪い。




「ん?」



「とぼけなくていいって。陸の事好きなのは分かったから。笑」




「違うって」



「まぁそういう事にしとく。笑


でも年とか気してるんやったらそんなの関係ないと思うよ」





そういって真山さんの隣へと戻っていった。



きっと真山さんにも気づかれたよね?




陸は?



陸はどう思ってんの?



遠くに見える陸を見ながらアタシはパスタを茹で始めた。




でもあのメール女の子じゃなかったんや。。



単純なアタシはそれが分かっただけで顔の表情が緩む。


その嬉しさを顔に出さないようにしながらも心に引っかかっていた何ががスッととれて
笑顔になった。