そんな陸の言葉にいちいち反応してたらダメなのは分かってる。



アタシが口を開こうとした時また陸の携帯が鳴った。


「もぉ~どれだけ俺の事好きなんだよ」


そう言いながら携帯を開いてメールを読む陸の顔は嬉しそうだった。



アタシはそんな陸を見ながらまた胸が痛む。


今日この繰り返しを何回してるんだろう。



「アズさん見てよ、これ。笑」


陸が携帯の画面をアタシに見せてくる。

そんなの見たくないと思いながらもアタシの目線はメールの文章に釘付けになっていた。



やっぱり見なきゃよかった。。


ハートでいっぱいの画面は誰が見ても陸への愛情たっぷりなメールだった。





そしてまた返信する。




「陸モテモテやね」



「だね。笑」



これだけかっこよくて可愛くて優しくておまけにDJで。。



もてない訳がないっか。



少しでもアタシのモノとかって思った自分が恥ずかしくてその場から離れた。



「陸ケーキ食べる??」



「うん。食べる!!」



「紅茶でエエの?」



「うん」



アタシとの会話をしながらもまた受信したメールを嬉しそうに見る陸を紅茶を入れながら遠くから見てた。




そしてまた着信音。


今度は長い。。



『もしもし』



『も~しつこいですよぉ。笑』




アタシは平気な顔をしてケーキと紅茶を陸の前に置いた。



それでも陸はケーキに目をくれることもなく話続ける。




『はぃ。じゃあまたクラブで』



最後にそう言って電話は切れた。


アタシはそんな陸の顔を見ながら手の動きも止まる。



「どうしたの?」



「えっ?」



「あっケーキ~食べようよ」



さっきからそこに置いてるって。。



そう言いたいのを我慢してアタシは箱からケーキを出して陸の前に差し出した。