「おはようアズさ〜ん」


何もなかったように後ろから抱きついてくる陸をうまく交わしながら、アタシはシャワーを浴びに浴室へと向かった。



あの子の頭の中がどうなっているのかアタシには分からない。


大人の女になるどころか完全に振り回されてるし。。



リビングに戻るとソファに座って携帯を触っている陸はアタシにも気づかない。



「陸はシャワーええん?」


「う〜ん後で」



「そっか」



一生懸命考えながらメールをうってる陸が気になって仕方ない。



「陸なんか飲む?」



「・・うん」



絶対ちゃんと聞いてないし。。


誰とメールしてるのか聞きたいけど怖くてそのまま朝食の用意を始めた。



その間も誰かとのメールのやり取りは続いていた。




「陸〜」



「食べるよぉ〜」



その言葉に携帯をソファの上に置いてこっちへと来る。



「おいしそ〜ハムエッグだね」



「うん。今日ケーキいらんの?」


「いる。笑」



「じゃあ後で買いに行こっか」



「行く行く」



嬉しそうに笑う陸の顔を見てイライラも吹き飛ぶ。



でもソファの上の携帯は鳴り続けた。



「ええの?」



「後で返すよ」




そういって食べ終わった陸はシャワーを浴びに行った。




携帯。。。



ソファに近づいたものの携帯を手に取る事は出来なかった。



そんな事したらさすがに自分が嫌いになりそうだったから。